エンジニアがユーザーインタビューを行うメリットと注意点

エンジニアはどれだけユーザーのことを理解する必要があるのでしょうか? 事業開発ではどんなエンジニアが活躍できるのでしょうか?

はじめまして! KAYACのまちのコインチームでFlutterエンジニアをしている今城です。 せっせと機能開発や運用に励んでる毎日ですが、最近はユーザーインタビューもしています。 この記事ではエンジニアがユーザーインタビューするメリットについて触れていきます。

「まちのコイン」のユーザーインタビューは何をしているのか?

ユーザーインタビューとは、ユーザーのニーズや課題を理解し、製品やサービスを改善するために行われる会話形式の調査手法です。 まちのコインチームでは以下のステップを行なっております。

  1. インタビュー相手を探す。
  2. アポを取る。メールで連絡しています。
  3. 当日、ヒアリングする。時間は30分程度です。
  4. ヒアリング後、仲間と振り返りをする。これも30分程度です。

もちろん、全てを1人でやるわけではないので安心してください。 ユーザーインタビュー自体は基本2人です。1人は聞き手、もう1人は議事録を取る人です。 相手の方は1人で参加してもらうことが多いです(たまに数人で参加してくださる方もいますが、話があっちこっちいってしまうのでお勧めしないです)

また、オンラインでのインタビューがメインでした。 コロナ禍でオンラインツールが普及し、ほとんどの方がオンラインでのインタビューを快く受けてくださりました。

まちのコインチームではユーザーインタビューを大切にしています。 少なくとも1週間に1ユーザーはインタビューをしています。 また、チームの全員が持ち回りでインタビューに参加するという目標を立てています。(議事録や聞くだけ参加を含めてなのでハードルは低くしています。)

本来インタビューの目的は「ユーザーを知ることで事業を成長させていく」ものですが、 エンジニアである私がインタビューをすることで、他にもメリットがあることに気がつきました。

メリット① ブレストや仕様作成で積極的になれる

カヤックではブレスト文化があります。ブレストとは、「複数の参加者が自由にディスカッションを行い、アイデアをどんどん出していく」フレームワークのことです。 もちろんエンジニアも参加します。職種は関係ありません。 しかし、アイディアを出すのにもヒントがないとなかなか出ません。 ユーザーを知らなくても表面的で奇抜なアイディアは出せますが、ユーザーを知っていることで本質的なアイディアを出すことができます。

ユーザーを知った状態でブレストや仕様作成に関わることは、単純にものづくりを楽しくしてくれます。 より、「これ俺が作ってるんだぜ」と言える気がします。

メリット② エンジニアとしてステップアップ

カヤックでは1つの職種にとらわれずいろんなことにチャレンジする人が評価される傾向があると思います。 自分もその考えには賛成です。 なぜなら、1つの観点で良し悪しをとらるよりも多面的な目線を持って物事を判断できる人の方がプロダクトを伸ばしていけると思っているからです。 たとえば、上から降りてくる仕様を実装しているだけだと、なぜその機能が必要なのかがいまいちつかめません。もちろんプロダクトマネージャーからの説明はありますが、ユーザーと出会った中で得られる1次情報とは質が違います。 質の高い1次情報を持っているエンジニアの方が、開発の設計の質も上がりますし、運用を考慮した上での機能提案もできると思っています。

チーム全体でインタビューを進めることの注意点

逆にユーザーインタビューをする上でチーム全体で気をつけることもあると思います。

気をつけること① 強制はダメ

エンジニアがインタビューをすることを強制してはいけません。人には向き不向きがありますし、無理やりやらされるものほど楽しくないものはありません。 また、エンジニアには本来の実装などのタスクもあるはずです。インタビューの時間が本業に負担になってはいけません。

気をつけること② 柔軟性を持ったチームづくり

エンジニアがユーザーインタビューすることにメリットがあるのと同じく、逆もまた然りです。 たとえば営業やCSが技術のことを知っていても質は上がります。たとえば、「ログインできないんですけど」というお問い合わせがあった時に、エンジニアはDBやFirebaseを見て確認しますが、CSがサクッと確認できればその場で回答できるかもしれません。 柔軟性を持ったチームづくりができればいいと思います。

おわりに

普段はチームのメンバーとの会話か黙々と作業をするばかりなので、慣れないインタビューは最初は大変でした。 インタビューは慣れもあるので、ときに恐れずに飛び込んでみることも大切です。

自分が関わった機能を「良い!」と言っていただける経験は確実にモチベーションになります。

より多くのエンジニアがユーザーと出会える機会が増えれば嬉しい限りです。

カヤックではユーザーインタビューに興味のあるエンジニアも募集しています

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