こんにちは! カヤック人事の岩瀬です。この記事は面白法人グループAdvent Calendar 202515日目の記事です。
2025年は業務のあらゆる場面でAI利用がとても進んだ1年になりましたが、この記事ではバックオフィス(管理部門)での活用事例についてご紹介します。
カヤックでは人事や各事業部門でも1on1や各種面談を実施しています。 この「人と人が会って話す」ということはAI時代においても、まっさきに人間がやるべき仕事だねとなるもののの一つではないでしょうか(もちろん"技術的には"AIに代替可能ともいえるのですが..)。 とはいえ、ここにもAIを使って何か工夫できないかなと考えて、今年どんな試行錯誤をしていたかを共有します。
こんなシーンで使いました
カヤックでは新卒1年目のメンバーと、OJT担当者と、人事の3人で月一で振り返りの機会として30分の面談をして、入社直後の4月から翌年の2-3月ごろまで立ち上がりを支援をするという取り組みをしています。
この面談は、事前準備としてその職能でどんなことができるようになると一人前なのか(1年目で期待されていることが達成されるのか)、事前にOJT担当者と話してシートにまとめています。
面談ではそのシートを参考にしながら、ざっくりYWT*1で、この1ヶ月で経験したこと、そこからの学び、次にやることを自由に話すというスタイルでやっています。
こう書くとすごいちゃんとしてそうなのですが、30分なのでそんなに深い話に至らないですし、3人の人間が話すのでいい感じになる時も、そうではない時もまあいろいろです。
初回でとりあえずやってみたこと
- 面談用のGoogleドキュメントを作成する
- 参加者全員がそのファイルを開いて、音声入力をONにしてしゃべる
- 新卒メンバーが振り返りとして話す
- それをその場でGeminiにまとめてもらう
- さらにそれを受けて内省を促す質問も出す
- 質問に答えて気づきを得る
AIを使った何かの工夫、ということで最初に考えたのが、 面談の途中で振り返りをまとめて内省を促す質問を出してもらう、というもの。
やってみた感想:悪くはないのですが、途中で面談が分断される感覚がある
10分ほど話したところで、まとめを出力しようとすると会話が全く止まることになる瞬間があるのと、出力された追加の質問がいい感じではないこともあり、ちょっとしっくりきませんでした。
妄想ではリアルタイムにパッといい質問が出て、面談をサポートしてくれて、それによって内省が深まる予定でしたが現実にはそんなことはなかったです。
2回目以降こういうやり方に落ち着いた
- Googleドキュメントにアジェンダや振り返りの質問を予め書いておく
- 参加者はそれをみながら、音声入力をONにしてしゃべる
- 面談が終わったらそのドキュメントからまとめ(議事録)をGeminiに作ってもらう
- まとめは、参加者が後で読み返したり、翌月の面談の冒頭で先月話したことを振り返るのに使用する
音声入力の方法は悩んだポイントでした。 理想はマイクを分けるためにそれぞれがリモートで別室から話せばいいのですが、それではせっかくオフィスにみんな集まっているのにもったいなさがあるのと、この時点ではGoogle Meetのメモ作成機能は今より精度が高くなかったこともあり、 多少使いやすさを犠牲にしても特別な機材が必要なく社内の誰でも使えそうな方法、ということでここに落ち着きました。
交代で音声入力をするので、フリートークよりも多少ぎこちなくはなりますが、反面、誰でも一定水準の面談ができるメリットもあります。
この方法であれば、まあまあ自然に進められ、事前準備も事後のまとめの手間もほとんどいりません。

NotebookLMの新機能が登場
そうこうしているうちにNotebookLMでラジオ風の音声出力が日本語でもできるようになった、というニュースがあったのが今年の4月末ごろだったでしょうか。
すごい!でもこれって人事としては何に使うといいのだろう...? 別に無理に使わなくてもいいのですが、使ったらなんか面白そうな気がする、ということでブレストして出たアイディアが、OJT面談の内容をゆるく横に共有するといいのでは、というアイディアです。
OJT面談は新卒の支援のために行なっているのですが、そこで話されていることは同期の新卒たちにも、社員みんなにもちょっとおすそ分けできるようなコンテンツになりうるかもしれません。
また1on1ミーティングの課題の一つに「1対1で会話が閉じられてしまう」ということがあります。 公開されないからこそできる話がある、という一方で、何か課題があったときアクションがとりにくい、多声的にならない、1on1担当者の面談スキル向上が難しいといったことがあります。
これをうまく共有しようとすると、人間の手で内容を編集する必要があり、工数もバイアスもかかってしまいます。 全てオープンにするよりももう少し緩やかに、なんとなく共有したいというニーズに対応できそうなアイディアでした。
こんな感じです
こちらはサンプルとして、架空の面談記録を書いて同じ手順で生成したものです。
うまくいかなかったところ
難しかったのは「参加者の名前が正しく発音できない」「文字としては合ってるけど発音に違和感がある」ということです。 指示に名前とその発音を詳細に書いても、読み間違えるということが起きます。1回目の読みはあっていたけど2回目の読みは間違っているみたいなことが起きます。
話していた内容はとっても良かったけど、名前が間違っている…! ということで、全体のリテイクをくり返すことになりました。
実際のラジオだったら、出演者の名前や固有名詞というのは絶対間違えてはいけないもので相当気をつけてラジオは作られており、私たち人間の耳がそれに慣れてしまっているのか、間違いがあるとどうにも気になってしまうのでした。
同時に聞く方も、ある程度の寛容さを持っておしゃべりとして聞き流すぐらいのおおらかさが必要で 深い内容にすればするほど、リスナーも真剣に耳を傾ける分、粗も目立ってくるように思います。 このあたりは、ソースとなるテキストの"まとめ方の指示"である程度バランス調整できそうです。
まとめ
NotebookLMでラジオ風の音声出力は1on1などの面談の横のゆるい共有にはまずまず使えそうでした。 他にもメンバーの自己紹介などから、いつ聞いてもいいし、真剣に聞かなくてもいい社内ラジオとしてコンテンツ化しておくのも楽しそうです。
カヤックの人事では「面白く働く」ことの一環として、面白そうなアイディアを思いついたらまずはやってみたりしています。 エンジニアの方で人事興味あるよ、って方も大歓迎です!
あとNotebookLMでこんな使い方もあるよ、というのがあればぜひ教えてください! 明日もお楽しみに!
*1:YWT:Yやったこと、Wわかったこと、T次にやること で振り返る方法