SREチーム(新卒)の市川恭佑です。
Google Cloud が主催するオンライン形式のイベント Innovators Live Japan につきまして、この度、3月9日(木)開催のウェビナー「実録!SRE」の1コーナーを担当することになりました。
最年少なのに何故かトリですが、たぶん特別な理由はないので、リラックスして当日を迎えたいと思っています。
発表概要
タイトルは「SRE の目的に立ち返った Infrastructure as Code の再考察」というものです。
イベントの紹介ページには書かれていない背景の補足も含めて、発表内容を軽く紹介いたします。
なぜ Infrastructure as Code の話?
SRE 文脈で Infrastructure as Code(IaC)と聞くと「あくまでもツールの話だよね」という印象を抱く方が少なくないと思います。 それ自体は至極当然なことで、そもそも IaC は「SRE の要求に応じて台頭した」といった歴史的順序を持っていないからです。
しかしながら、SRE として活動している人の多くが触れていることも間違いないでしょう。 我々にとっては、当たり前にある大前提のツールと化しているのです。
当たり前にあるものほど、その意義については、曖昧な認識を放置してしまいがちです。 その上に、自分にとっては当たり前に使えるものでも、他人にはハードルが高いものと認識されてしまってコラボレーションが阻害されることも多々あります。
これは、最近発売されたオライリー・ジャパンの「オブザーバビリティ・エンジニアリング」においても、モニタリングを題材として同じような教訓が記されています。
本書の冒頭で紹介されている「社会技術的(Socio-technical)」という用言は SRE や DevOps にも当てはまるものです。 他種多様な背景でシステムの開発・運用に携わる多くのメンバーに参加してもらうために、特定の取り組みにおいて当然のように利用される技術への再考察は、決して無駄なものにならないでしょう。
全体的に、どんな話?
これまで、学生エンジニアとしてのアルバイト時代を含めて、基本的に Amazon Web Services(AWS)を利用した自社 Web サービスに関わっていた私ですが、 最近の人事異動の結果、Google Cloudを利用した受託開発のモバイルゲーム案件に配属されました。
これにより、IaC に関連する分野で、以下のような問題が顕著になりました。
- 大人の事情で操作できないサービス
- 特定のツールと噛み合わせの悪い API
- ツールの管理外で作成・操作されるリソース
もちろんこれらは以前の座組・スタックでも存在しましたが、例外的なものとして扱うことが可能でした。 それに対して、現在の環境ではこれらの問題がより恒常的に発生して、SRE の活動をする前提として無視できないレベルに達したため、IaC との関わり方を根本的に見つめ直しました。
具体的にどのような帰結を導いたかについては当日のお楽しみとさせてください。 SLI/SLOなどを題材としていない点で、毛色の違う発表にはなりますが、皆さんの業務を考える上でのお力添えになれば幸いです。 (以下のリンクは再掲です)
ブログの宣伝
今回、カヤックSRE連載という企画で公開したブログをきっかけに登壇のお話をいただきました。
自分の登壇告知と同時にブログの宣伝までするのは大変に恐縮ですが、結構しっかり書いた自信作です。 ちょうど OIDC で Google Cloud と良い感じに Federation したい気持ちが高ぶっている方がいらっしゃいましたら、CircleCI 以外でも参考になる部分が多いと思いますので、是非ご一読ください。
また、Google Cloud の文脈では、去年末にアドベントカレンダー企画で書いた記事も激しくオススメです。 これまた手前味噌ですが、すごく自信があるので「これからGoogle Cloudに入門する人はどうするべきか」以降だけでも読んでもらえると喜びます。 こちらについては、より多くの方に楽しんでいただけると思います。
技術ブログや登壇といったアウトプットは、業界では皆さん当然のようにこなしている印象がありますが、実際やってみると大変な労力を要していることを実感しています。最近は他の人のそれを参考にする度に、ありがたさを噛み締めています。
ということで、イベント当日に会いましょう。👋