終わりがないサービス開発を支える理想の分析基盤とは?クラシコムxカヤック合同勉強会11月号

毎度お世話になっております、カヤックの谷脇です。

10月にクラシコムさんと合同勉強会を行った様子を以前紹介させていただきましたが、今月も合同の「Hygge」を開催しました。

前回は、クラシコムさんのオフィスで開催させていただきましたが、今回は鎌倉のカヤックのオフィスにクラシコムの皆さんをお招きして行いました。

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鎌倉での開催ということもあり、前回とは違った多種多様なカヤックのメンバーが参加しての発表となりました。また、クラシコムの皆さんからも「北欧、暮らしの道具店」のサービス運営に関する悩みや解決への道筋について、とても興味深い発表がありました。

というわけで今回もHyggeの様子を紹介していきます。

「データ分析基盤について」

カヤックの池田から、データ分析基盤をなぜつくるのか、どうやってつくるのか、どのように活用するかについての発表です。

アプリケーションサーバ上に存在するアクセスログをその場でコマンドで集計するだけでもデータ分析基盤であるといえます。しかし、良いデータ分析基盤であるとは言えないとのこと。

良いデータ分析基盤とは、必要なときにビジネスの判断材料が取り出せる基盤のことであるそうです。

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また、データ分析基盤の例としてカヤックの事例の紹介がありました。fluentdを経由して、Amazon Redshiftに溜め込み、Re:dashからデータを抜き出して加工し、ビジュアライズする例も見せてくれました。

「終わりのない物語」

クラシコムの遠藤さんによる、サービス運営の指標を決めるときの悩みについての発表です。

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遠藤さんが例としてあげた、他社で経験された時のサービスのユーザーゴールでは、ユーザーゴールの設定とはサービス利用者が「できない」を「できる」にすることを言っていたそうです。

しかし、クラシコムさんのビジョン「フィットする暮らし、つくろう」は、明示的なゴールがなく他のサービスのようなユーザーゴールをうまく設定できない悩みがありました。

そこで、運営する「北欧、暮らしの道具店」を、そこにいるだけで心地が良い場所と定義して、ユーザーにとってまちの公園と同じようなものであるかもしれないとすると、ユーザーに良い体験を提供できるかもしれないという話をされていました。

発表直後の質問コーナーで、直前にデータ分析基盤について話した池田から、NPS(ネット・プロモーター・スコア)を計測する際の提案も出て盛り上がりました。

「Twitter自動返信アプリを作った話」

カヤックのクライアントワーク事業部の姫野から、[Twitter DM Cを制作したときの苦労についての話がありました。

現在のTwitter APIをふまえて、Twitter上でのキャンペーンを行うための仕組みの説明があったあとに、Twitter APIを使うための申請の困難さや、インターネットに事例があまりないAPIはドキュメントを精読して自分で解決しなければならないなど、Twitterキャンペーン特有の難しさが語られました。

「正しい『北欧、暮らしの道具店』を正しく作りたい」

クラシコムの村田さんは、「正しいものを正しくつくる」という本を紹介しつつ、「北欧、暮らしの道具店」を正しく作るにはどうすればいいかという発表をされました。

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今年の2月にクラシコムに入社された村田さんは、入ってすぐに新しいプロジェクトを進めることになったのですが、そのときに「なぜ作るのかわからない」「本当に作れるのかわからない」「MVP(Minimum Viable Product)が作れない」という3つの不確実性に直面したそうです。

そこで、クラシコムの内外の方々の力も借りながら、一つずつ不確実性を潰していって、プロジェクトを進めようとする過程を話されました。

「ゲーム事業部分析基盤のこれまでとこれから」

カヤックの川添は、ソーシャルゲーム事業部で使用している分析基盤・KPI可視化ツールの歴史と今行っているリニューアルについての発表をしました。

2014年のぼくらの甲子園!ポケットがリリースされる直前に作られた分析基盤の歴史を紐解きつつ、昨今のフロントエンドのライブラリの移り変わりの速さにも触れました。

2014年に作ったときにはAngularJSがWebフロントエンドのライブラリとして使われており、そこから4年ほどの間何度も、AngularJSから他のライブラリに移行を試みられたそうです。2017年にはReact、2018年にはVue.jsで書き直そうとされましたが、特にUIフレームワークを使おうとしなかったことから工数がかかりすぎて断念。

しかし2019年はVue.jsとCoreUIを使うことで、順調にリニューアルが進んでいるそうです。勝因としてはアプリケーションに適したUIフレームワークを導入してから、可視化する部分まで、力尽きる前にたどり着けたことだそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。様々な事業を行っているカヤックからは多種多様な目線の話が飛び出しました。一方で「北欧、暮らしの道具店」という一つのプロダクトを集中して作っているクラシコムさんからは、サービスの本質を洞察するような話がなされて、好対照な会になりました。心地が良い異文化交流イベントにもなったかと思います。来月も、そのまた来月も続けていこうと思います。

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カヤックでは、ゆるっとふわっとした感じで、心地が良い合同勉強会をやってくれる会社さんをどしどし募集しております。興味がありましたら、私のTwitterアカウントにメンションやDMを飛ばしていただくか、お知り合いのカヤック社員にご連絡ください。